ちょっと前に読んだ紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)の感想を書きたい。こんなにも訪問販売や営業のヒントや、モチベーションを上げてくれる本だとは読む前は思わなかった。

紀州のドンファンなる人がいることは不審死をした事件の後に知り、毎週購読している「金融日記」にて本書が取り上げられていることから興味を持った。苦労の末に財を成していくストーリーは読んでいて気分がよくなる。読みながら商売の上手な人だなと思ったのは、その文体にも表れていて、腰の低い、敵を作らない書き方をされているなと感じた。

自分自身が最近になってようやく身をもって理解し始めた資本主義のルールとでもいうようなことについて以下のように記されていて、

「どうすれば金持ちになれますか?」
「それは難しい問題だよなぁ。親が金持ちなら簡単だろうけど、お前は違うからダメだ。まずは資本家にならないと資本主義社会で勝ち上がれないと思う。でも、急に資本家になるのは無理だから、種銭となる小金を貯めることだ。ある程度金ができれば金が金を生むようになるから」

と、これが1960年代前半の会話なのかと、またドンファンにこのような的確にアドバイスをできるグッチ先輩とは何者なのだろうかと、興味深かった。

やがてドンファンはコンドームの訪問販売のビジネスを思いつき、そこから資本家へと成り上がっていく。1960年代と今現在ではコンドームに対する羞恥心の度合いは比べ物にならないだろう。そんな中コンドームの訪問販売を始めてみたところ、やはり最初はうまくいかなかったようだ。ただ、続けていくうちに、

断られたら次の家に行けばいいじゃないかと考えれば気が楽になります。固執して頑張って説得しなくても、他に訪問する家は多数あると思えば楽なのです。要は気持ちの持ちようです。

という考えになっていったと。これこそまさに飛び込み営業で一番大事なマインドだとものすごく同意ができる。メンタルが変わってくればお客様との接し方も変わってくるもので

葬式の喪主のような厳かな喋り方はやめて、結婚式の主賓のような甲高い明るい声を出しました。

とか

とにかく客を褒めまくるのは商売の鉄則

と、この気の持ちようは今現在でも全く変わらない大事な要素だ。お客様と接する上での基本的な態度、明るさや、爽やかさや、笑顔といった、僕もこのあたりについては今の会社に入社してから、先輩とか上司に耳にタコができるほど大事だと教わった。営業は水物のようなところもあるけど、ちょっと調子が悪いなと思い始めたら、トークの内容を見直すよりも、まずは基本的な態度がちゃんとしているかのチェックの方が先だ。

本書は難しいことを考えなくても良いサクッと読めて面白い上に、営業や商売、はたまた対女性術についても頷けるところが多々あって実りのある読書ができた。

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