真の主権者はどちらなのかを考えると、家庭によってマチマチなはずなのだけど、それについて考えていると思い出してしまうクーリングオフがある。僕がご主人様だけの了解を取ってアポイントで、取った際に「商談に関してはご家族様皆様のお家のことなので奥様も同席で」と念を押しておいたが、得てしてそういうアポイントの取り方をしてしまうと、結局商談もご主人様一人になってしまうもので、典型的な良くないアポイントの取り方になってしまった。ご主人様一人で話を聞いて納得して成約となったものの、奥様と高校生のお子様に反対されたとのことでクーリングオフに。

僕が奥様への挨拶や趣旨伝達を怠ってしまい、結果クーリングオフになってしまったことに関しては、商談担当に申し訳ない事をしたと思う。一方で、再三僕から奥様への挨拶を申し出たのに「それには及ばない」と言われてしまっては自分の力ではどうしようもなかったという思いもある。

しかし面白いなと思うのが、やはり女性は責任を取りたがらないもので、常に逃げ道を用意しておく傾向が強いなと思う。クーリングオフのご主人様みたいに一人で話が前に進み過ぎることは滅多にない。「私じゃ決められないから主人に」なんて言いながらも、大体家のことを決めるのは奥様なんて家庭の割合はかなり多いと思う。

具体的に数字でその割合を出せなくて、感覚的な言い方になってしまうが、子供のいない結婚したての夫婦はご主人様の方に主権があるとお家が多いと思う。子供が大きくなるにつれて奥様の主権が強くなっていく。家が子供中心になっていくからだろう。この傾向はここ何年かで一気に進んでいるようにも思う。僕が育った実家でもどちらかと言うと亭主関白よりな家庭であったし、親戚一同を見てもその傾向が強い。しかし、実際に僕が現地で出会う各ご家庭では、どうも奥様のご意見の方が強いお家の方が多い。

やるかやらないかの最終的な決断の際に「私はいいと思うけど、あなたが決めていいわよ」とか「あなたがいいなら私もいいわよ」とか言うけど、それは本当に口だけで目はそう言ってないケースが実に多い。それでまたご主人様も明らかに奥様の顔色を伺っているのが良くわかるし、ご主人様が「NO」と言えない空気を営業マンではなく奥様が醸していることも多い。契約者となるのはご主人様でも実際には契約させられている、と言うニュアンスの方がしっくりくる。

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福にも男女のヒエラルキーについての記述があり、その箇所が個人的にもすごく印象に残っている。女性が政治的にしろ何にしろ、いわゆる権利を持ち始めたのは、長い人類史においても本当にここ数年の話で、以前は男性の所有物のような扱いだったと。ちなみになぜに以前は所有物のような扱いしかされなかったのかについては、”わからない”としている点もまた興味深いのだけど。これだけなんにでも詳しいハラリ先生が「わからない」と仰るのが返って清々しい。それまでの歴史の経緯からも、ここ数年の女性の社会進出ぶりや、家庭内においての立場も強くなってきている変化の速さを考えると、今後この先の男女の力関係もどうのようになっていくのだろうと、関心を寄せずにはいられない。

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