よくお世話になっていた上司が熱心な創価学会信者であったので関心があったのと、宗教の布教活動って営業に通ずるところが多々ありそうだと思っていたので、大変興味深く読めた。興味深く読めたし、創価学会の強さの源を知れた気がして全体的に納得度の高い読書ができた。

ちなみに僕が持っていた創価学会のイメージとは血液型で言うAB型みたいな印象を抱いていた。「あのお家創価学会なんだって」っていうのと「あの人AB型なんだって」というのとで「ああそうなんだ」と同じようなリアクションをされやすいという意味で。確固たるマイノリティとでもいうのか。もう少し正直に言うと、やはり宗教にのめり込んでいるような、思考が偏った人たちが多い印象もあるので、積極的に関わり合いになりたいとは思っていない。

とはいえ、数多くの信者が存在していることは間違いなく、それがどのように広まっていったのかへの興味は前々から持っていた。その興味に対する答えを本書は用意していてくれたし、その答えには大変納得のいくものだった。

心から素直に感心できるのは、1930年に信者数が0から始まった宗教が、今や800万世帯にまで広まっていることにだ。本書にはその変遷が具体的な数字で記されており、それを見るとよりその凄さがよくわかる。

1951年 5728世帯
1952年 22324世帯
1953年 74246世帯
1954年 17万世帯
1955年 30万7490世帯
1956年 50万世帯
1957年 76万5000世帯

ほぼ毎年のように世帯数を倍以上に増やしている。こんなすごいことを、当たり前だけどインターネットなんかがない時代に、地味に足を使って増やしていったのは驚きとしか言いようがない。インターネットのある現在でも、例えばツイッターで数百万のフォロワーを持っている人なんていくらもいないであろう。僕自身も多少SNSはやっているけど、当然だけど、僕に数百でもフォロワーがつくことなんて想像もできない。それをクリック一つでフォローとかそう言うお手軽なものではない宗教でやって見せたその布教活動にはただただ頭が下がる思いだ。ちなみこの数字にはまだ続きがあって、有名な池田大作が会長に就任してからは以下のような推移に。

1961年 200万世帯
1962年 260万世帯
1962年 11月 300万世帯
1965年 585万世帯

と本当に0から始まった活動が今や800万世帯を擁するまでに大きくなった。もちろん順風満帆なだけはなく、詳細は省くが紆余曲折があり、危機と言われるような状況にもなんども直面している。それでもその度にその危機を乗り越えて来た創価学会の強さの源を本書を読めば納得することができるはずだ。その強さを3点に要約すると

1.池田大作の人間的な魅力と学会員との強い絆
2.座談会→学会員が尊重される活動システム
3.宿命転換

にまとめられる。3の宿命転換については僕自身の読み込みが浅く何のコメントもできなくて申し訳ないが、これらが時代に即した布教活動であったことは間違いのないことだろう。

人の心を動かすと言う点と、人というか自分を売るという点で営業と布教活動に共通点はあると思っている。特にこう言っては何だけど、在庫を持たないビジネスの頂点を極めるのが宗教なのではと考えられなくもない。今のインターネットのインフルエンサーも教祖様みたいなところがあるしね。この人が多分正しいんだろうなと、それで皆が付いていく。創価学会が発展していく力には凄く関心があって、ただ肝心の教義のようなところは全然興味を持てないが(良い悪いではなく)、本書を読めば一宗教の存在価値を大いに認められるようになると思う。文章もわかりやすく、著者の別の本もきっと面白いのだろうなと思った。

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